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概要

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9専務が行く~若手経営者に聴く~今回は、等々力で旬の食材を美味しくリーズナブルに提供することをコンセプトに、本格居酒屋「とどろき三丁目五番地」と、「とどろき二丁目バル」を展開されております株式会社SEASONINGの早川社長にお話を伺います。(専務・以下專)早川社長よろしくお願いいたします。まず初めに飲食に携わるようになったきっかけをお聞かせください。柴健宏(早川社長・以下早)私は小学校の卒業文集で、既に日本一の料理人になると書いていました。実家が蕎麦屋をやっていまして、私自身幼いころから料理が好きだったので、料理人になるというのは自然な流れでしたね。高校卒業後、半年ほど専門学校に通ったのですが、現場に入ったほうがいいと決断し赤坂で働き始めました。父、兄、いとこと皆飲食をやっているので、今も刺激を受けながらやっています。(專)脈々と続くものがあるのですね。(早)そうですね。やはり父親の背中を見てきたのが一番大きいと思います。父は私にとって、今でも一番尊敬する人です。父がやっていたことで真似したことがあって、それは寝室にメモ帳を置いてすぐに書き留められるようにするということなのですが、ふと思いついたいいアイデアを忘れてしまうのは勿体ないと思い私もやっていました。以前の職場で、そうやって浮かんだアイデアが採用されたこともありました。まず頭でイメージを膨らませてから実際に作ってみて、微調整をする方法が私にはベストなようです。(專)料理は同じ味を再現するためにロジカルな部分もあるとは思いますが、最初の生み出すところは感性によるものですよね。(早)はい。ただ基本は非常に大切だと思います。基本をしっかり築いてから、個人の感性を活かしていけばいいと思いますので、スタッフにもそのように教えています。私は彼らを指導するとき、調理場に入ったら社長ということは一切忘れて料理人になりますね。何店舗持とうと料理人でありたいと思います。(專)料理人にこだわる点をもう少し詳しくお聞かせいただけますか。(早)今でも非常に人気のある老舗の洋菓子屋さんで、その方はフランスで学んできたことを日本でやったのですが、最初その味が受け入れられず閉店を余儀なくされたそうです。それでもその方は一貫して変えなかったと聞きました。私もその点は同じ考えでして、常にブラッシュアップしていくことは大事ですが、曲げてはいけないところはしっかり守らなくてはと思います。(專)今後展開していくにあたり、業態はどのジャンルに軸足を置こうとお考えですか。(早)私共のスタイルは、居酒屋のような気軽な雰囲気で日本料理店のクオリティをリーズナブルに楽しめるというものです。ですから三店舗目も業態は同じで、もう少しランクアップしたお店作りを考えています。また地元への愛着もありますから、自分の目が届く範囲で出店したいですね。(專)経営している上での悩みはありますか。(早)自分の技術だけでここまでやってきてしまったので、今後はどうやって伝えていくかが課題ですね。ですので、2店舗目を出した最初の一年は苦しかったです。ここ最近は手放しでできるようになり、その途端伸びましたね。こういった経験は自分を成長させてくれました。(專)将来のビジョンはお持ちですか。(早)はい。私は今37歳なのですが、40歳までに5店舗に増やしたいと思っています。また周りの仲間に刺激を受けて、サンフランシスコにもお店を出したいという夢も持っています。そして日々成長ですね。自分よりもまわりのみんなの成長を大切に思っています。(專)最後に早川社長にとって飲食とは何でしょう。(早)「我慢」ですね。料理人をやっているからには自分のエゴを出したいのですが、そこを抑えることとの我慢比べです。自分のエゴと戦い、我慢をしなくてはならないくらい情熱をもって向き合うものですね。感性豊かな早川社長のお話を聞いて、今後どのように展開されていくのか、非常に楽しみになりました。早川社長、ありがとうございました。No.142